◼️ はじめに

現在、私は WordPress ブログを運用しています。以前は国内レンタルサーバーの代表格である XServer を使っていました。しかし、より柔軟な環境構築と技術習得、さらに今後の フリーランス案件獲得 を見据え、ブログを AWS環境(EC2 + RDS)に完全移行することを決断しました。

今回の記事では、

  • AWSアカウント開設からEC2/RDS構築
  • WordPressの移行(ファイル/DB/ドメイン)
  • 実際に起きたトラブルとその解決法
  • 移行後の最適化とSEO対策

までを 実体験ベースで詳細に解説しています。


◼️ 使用した構成と環境

項目内容
EC2Ubuntu 22.04 + Apache + PHP 8.1
RDSMySQL(Aurora)
Route 53ドメイン管理(raku-study.com)
S3画像やバックアップ保管(予定)
SSL化Let’s Encrypt + Certbot
ドメイン移行rakugoro.com → raku-study.com(301リダイレクト)

◼️ ステップごとのWordPress移行手順

XServer側のバックアップ取得

  1. XServerの「ファイルマネージャー」から public_html 以下をローカルにダウンロード(FileZilla使用を推奨
  2. XServerの「phpMyAdmin」にアクセスし、WordPress用DBをエクスポート(.sql
  3. .htaccess.user.ini などの隠しファイルも忘れず取得

AWS EC2インスタンスの構築(Ubuntu)

  1. AWSマネジメントコンソールから EC2インスタンスを起動(Ubuntu 22.04 LTS)
  2. セキュリティグループにて HTTP(80), HTTPS(443), SSH(22)を許可
  3. Elastic IPを取得してEC2に関連付け
  4. SSH接続(RLoginまたはターミナル)
  5. 必要パッケージのインストール:
sudo apt update && sudo apt upgrade -y
sudo apt install apache2 php php-mysql mysql-client unzip -y

RDS(MySQL)インスタンスの構築

  1. RDSコンソールで MySQL(Aurora互換)インスタンス を作成
  2. パブリックアクセス許可 / セキュリティグループで EC2からの接続を許可
  3. DB名・ユーザー・パスワードを控える
  4. SSHから mysql コマンドで接続できるか確認

WordPressファイルのアップロードとDB連携

  1. FileZillaで public_html 以下の全ファイルを /var/www/html にアップロード
  2. 所有者の権限をApacheに変更:
sudo chown -R www-data:www-data /var/www/html
  1. .sql ファイルをEC2にアップし、MySQLへインポート
  2. wp-config.php を開き、下記のDB情報に書き換え
define('DB_NAME', 'wp_database');
define('DB_USER', 'wp_user');
define('DB_PASSWORD', 'パスワード');
define('DB_HOST', 'xxx.ap-northeast-1.rds.amazonaws.com');

ドメインとSSLの設定

  1. Route 53でドメイン購入 or 外部ドメインをネームサーバー経由で移行
  2. Elastic IPをAレコードに紐付け
  3. Certbotを使用してSSL証明書を取得
sudo apt install certbot python3-certbot-apache -y
sudo certbot --apache
  1. .htaccess でHTTPSへリダイレクト設定

WordPress表示と最終チェック

  • /wp-admin にアクセスして管理画面が開けるか確認
  • 記事や画像が表示されるか確認
  • パーマリンク設定を再保存

◼️ 実際に発生したトラブルとその対処法まとめ

トラブル内容原因対応策
記事ページ404Apacheの .htaccess 無効化AllowOverride All に設定変更
投稿が保存できないmax_input_vars 制限php.inimax_input_vars = 5000 を追加
長文投稿でエラーpost_max_size, memory_limit 不足128M / 256M に拡張
Certbotが動作しないAmazon Linuxでパッケージ非対応Ubuntu + venv環境で再構築
サイトマップ取得不可All in One SEOの設定漏れSEO設定見直し+再送信
プラグインの一部が動作しないパーミッション不足 or キャッシュ所有者変更とキャッシュ削除

◼️ 得られたスキルと今後への応用

  • VPS環境でのWordPress構築スキル
  • Apache, MySQL, PHPのインストールと連携調整
  • AWSサービス(EC2, RDS, Route 53)のハンズオン活用
  • サイト移行時のSEO対策(Search Console, 301リダイレクト)
  • セキュリティ強化と自動バックアップ環境の構築

この経験は、今後フリーランスとしてインフラ・WordPress移行案件を請け負う際の貴重なポートフォリオになります。


◼️ 使用中のプラグイン一覧(抜粋)

  • All in One SEO:SEO最適化、サイトマップ生成
  • XO Security / Wordfence:ログイン保護・不正アクセス対策
  • UpdraftPlus:バックアップの自動化(S3連携可能)
  • EWWW Image Optimizer / Modern Image Formats:画像軽量化
  • Easy Table of Contents:目次自動生成
  • Snow Monkey / Arkhe / VK Blocks:デザイン補助ブロック

◼️ おわりに

WordPressのサーバー移行はハードルが高く感じられるかもしれませんが、 一つひとつステップを踏めば、AWS環境でも安定した運用が可能です。

本記事が、これからAWSでWordPressを構築したい方、フリーランスを目指す方の参考になれば幸いです。

さらに詳しいステップやエラー対応について聞きたい方、具体的なお仕事のご依頼がある方は
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